2018.09.18 火曜日

豊橋発:交通事故事件はなぜ人権事件か。

交通事故事件は誰でも遭遇する危険のある事件です。日本では交通事故の保険制度が整備されているのですが、それは加害者を保護することで結果として被害者を窮地に追い込む問題も出てきています。


 加害者と交通事故との関係が遮断され、保険会社が加害者にかわって交渉の前面に出てきます。つまり,交通事故事件では被害者 vs.保険会社の図式で事件が展開します。加害者とは事故の最初にあっただけで最後まで会うこともなかったという事件がほとんどです。これは死亡事件という深刻な被害の場合であっても同様です。加害者が謝罪することは最初の一回だけということも少なくありません。

 交通事故被害者と損保とは交通事故の情報、知識、解決のために利用できる資源においても大きな差があってとうてい対等な交渉というわけにはいきません。私は損保は被害者のために動くという社会的責任があると思うのですが,実際に会社の利益が第一となります。

 損保は公平な第三者ではありません。事件の対立する当事者として登場します。そのため,交渉や訴訟での力関係の差から、被害者に対して本来償いが必要な部分が賠償されないことが起ことることがあります。

 また,加害者はあやまらない,損保は傲慢な姿勢で対応する,交通事故という理不尽な事故に対してやり場のない怒りや悲しみが解消されないまま、鎖でつながれたような重い固まりが心の中に残ってしまいます。

 私たちは公平とは言い難い交通事故被害者の現状は深刻な人権侵害があると考えています。それは、法の力によって少しでも対等な力関係が実現されるべき課題であると考えています。だからこそ、交通事故事件は人権侵害事件であると考えていますし、弁護士の力が必要な分野であると考えています。

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