名古屋E&J法律事務所ブログ

2017.05.11 木曜日

交通事故によりうつ病と低髄液圧症候群に罹患したあと自殺をした被害者に関する判決

今回は徳島地裁平成24年4月16日判決の紹介です。
事件の概要は次のとおりです。
被害者は自動車の衝突事故に遭い、首から肩にかけての疼痛、頭痛等の治療の過程でうつ病を発症しました。また、事故から2年半程経過したあと、低髄液圧症候群と診断されました。その後、被害者は自殺をしてしまいました。
判決では、被害者には精神疾患の既往症はなく、本件事故後にうつ病が発症し、疼痛等のため休職を余儀なくされ日常生活に支障をきたしていたことや賠償問題が円滑に進まなかったことに対して精神的苦痛や不安を感じていたことが認められる等を認定し、本件事故とうつ病の因果関係を認めました。
また、低髄液圧症候群に関しては、未解明な部分があることについて言及しながらも、一般的な低髄液圧症候群の症状と整合し、重要な判断資料であるMRI及びミエログラフィーの画像所見も低髄液圧症候群の所見を示していることから、低髄液圧症候群について症状固定したことを認定しました。
逸失利益の判断においても、うつ病や低髄液圧症候群に基づく労働能力喪失率を算定し、判断されております。
今後、同種の事案を扱う上で参考になる判例といえます。