2017.06.19 月曜日
画像所見のないが12級が認められた事例 №2
交通事故 画像所見のないが12級が認められた事例 №2
当事務所が非常に力を入れていた事件の判決が出た。
これはMRIなど画像所見からは異常は認められないが諸事情を考慮して12級を認めた。さらに、39歳から67歳までの労働能力喪失期間を認めるという画期的なものであった。
この事件では自賠責の手続きは一切利用しないという方針を選択した。
労災認定で治療費、一時金を獲得した上で、いきなり訴訟を提起するという戦略だ。
このような選択をしたのは自賠責は損保寄りで、柔軟性のない手続きだからだ。労災の場合は、問題があると言っても労災医員が直接問診する。また、本件では初診時の整形外科医はひどいものだったが、後医は信頼でき、協力を得られた。こうした被害者からの医学的意見、資料の提出に対して、労災手続きは比較的まじめなレスポンスがある。
もっとも、まず労災手続きを開始するまでが大変だった。
労災の建前からすれば、被害に対しては第一に加害者が責任を負うべきであって、労災という公的援助が加害者の賠償責任を肩代わりすることは社会的にみて好ましくない。しかし、それでは被害者救済とならないから、交通事故の場合でも労災は受け付けることになっている。
しかし、それがなかなか受け付けないのだ。
労基署はなぜ自賠責を請求しないのだとしつこい。被害者は何回か労基署に足を運ばなければならなかった。
私もさすがに頭にきて労基署に電話をして、なぜ受理しないか追及した。担当者は加害者が責任を負うのが第一義だとの繰り返しだった。それならば、ということで、「受理しないならいないとはっきりしてくれ。こちらは不受理が違法であるという裁判する。国家賠償請求もしてあなたの責任を追及する。」と、最後はどなるような感じになってしまった。
ここまで対立が激しくなって、ようやく労基署も労災を受け付けた。担当者の最後の捨て台詞は「自賠責と変わりませんよ。」だった。
続く
愛知、名古屋、弁護士、交通事故、中小企業、離婚、借金、相続 | 2017.06.19 月曜日