名古屋E&J法律事務所ブログ

2017.06.19 月曜日

身体表現性障害

交通事故後に生じた症状がとてもひどい、見るからにつらそうで痛みやしびれがあるのに、神経学的な説明ができない事案というのは、意外と多いと感じます。
 逆に神経が圧迫・炎症などすることによって症状が生じていることが明らかな案件の方は、加害者の保険会社より賠償金が支払われており、弁護士のところまで来ないからかもしれませんが・・・。
 そういったとき、事故によって強いストレスを受け、それにより精神的な影響が出て、そのような症状となっていることも疑ってみるべきかもしれません。いわゆるPTSDや、身体表現性障害はその一例です。
 そういった場合も、必ずしも加害者への損害賠償請求は否定されるわけではなく、交通事故を原因に症状が生じたことから一定の後遺障害が残ったことを認めた裁判例は多々あります。
 例えば、東京地裁平成22年12月21日判決は、交通事故により首を打ち、その後手足のしびれや歩行障害、頭痛、排尿障害等の多彩な症状が残った原告につき、諸事情を総合して、「本件事故を契機に、原告は、何らかの非器質性の疾患を発症するに至り、これに由来して経時的に上下肢のしびれなどといった感覚障害を訴えや不定愁訴等が生じたものと認めることができ、そのために就労にも相応の制限が生じたものと評価するのが相当である。  本件事故との相当因果関係が肯定できる症状は、後遺障害等級第12級に相当する程度の後遺障害が残存したものということができる。」と判断しています。つまり、事故を契機とした精神的な疾患であっても事故との関係性を認めて、後遺障害等級12級と認定し、被害者の請求を認めているのです。