名古屋E&J法律事務所ブログ

2017.10.16 月曜日

交通事故 高次脳機能障害はこんな風

 高次脳機能障害の典型的な展開はこんな風だ。
 
 事故直後,頭部に大きな衝撃があり硬膜下血腫などがある。本人は意識を失い救急車で病院に運ばれる。意識は数時間から1日,時には何日も回復しない。
 
 やっと意識が回復したかと思うと,事故のことは全く覚えておらず,変なことを言う。奥さんが訪ねてきても誰だか分からない。その後,徐々に意識も判断力のしっかりしはじめ,普通の会話を徐々にできるようになる。でも,なんか変だ。言葉がすぐに出てこない。あるいはよくしゃべってとりとめがない。記憶がうまくできない。さっきのことをすぐに忘れてしまう。簡単な計算ができない。
 
 性格が変わってしまった。子供っぽくなり,甘えてくる。あんなにきつい性格だったのに丸くなり,時には従順になり,あるいはいつもにこにこしている。不安がある。誰かにいてほしい。自分がよく分からない。自分が変わってしまったことが分かる。でも,どうしようもなく,生きる方向を見失い,うつ状態になってしまう。
 
 いろいろなリハビリが行われるが,やがては症状が固定し,障害を残したまま生活を続けることになる。私は高次脳機能障害の事例をいくつも扱ってきた。その多くは夫が,妻が,あるいは両親が献身的に被害者に尽くしており,愛の深さを感じる。本当の愛というのはけっして派手なサプライズにあるのではなく,その人の人生を引き受ける強い覚悟の中にある。