名古屋E&J法律事務所ブログ

2017.10.16 月曜日

交通事故 高次脳機能障害の典型と例外

 脳の器質的障害を示す画像,意識喪失,知能低下,日常生活の変化など,なんでも典型というのが存在する。
 
 しかし,病気というのは何でも典型的に進むわけではない。すべての条件がそろうわけでもない。重い症例から軽い症例まである。高次脳機能障害の場合,現在は社会の中で位置づけられ,典型例についてはそれほど難しい事件ではなくなっている。
 
 現在の課題は非典型例だ。
 私は高次脳機能障害に取り組むとしている弁護士のうち,こうした非典型例に対してどれほど向き合おうとするかによって弁護士の能力が試されるように思っている。
 
 高次脳機能障害の場合,例えば,画像所見が得られない場合がある。症状が比較的軽くて,仕事もできる例もある。なかなか,気づかないで,変だ変だと思っているうちに,整骨院などで脳障害があるんじゃないかと言われて,調べてみると,高次脳機能障害だったどいうこともある。事故後,2年,3年たってから高次脳機能障害だと分かる例もある。
 
 こうした事例では,まず,現在の症状を確定させることが必要だ。事件から2年,3年とたち,新しい生活ができあがっている。過去との比較が難しい。依頼者から丹念に経過を聞き出すことが必要となる。事故の前と後,生活や人格,活動内容はどう変化しただろうか。事故前には何ができて,事故後は何ができなくなったのだろうか。
 
 次に,カルテなどから経過を丹念に追っていく。
 依頼者は自分の症状は分からないから,カルテとの照合が不可欠だ。
 事故の態様,事故直後の患者の状態(直後と言っても,本当の直後で,衝撃のあと次に患者はどのような行動をしたか,できなかったか)を確認する。
 
 全体として医学的に説明できるかも大切だ。これは医師からの聞き取りが中心になる。