名古屋E&J法律事務所ブログ

2017.12.18 月曜日

関越自動車道の高速ツアーバス事故

この事故についてはこんな記事があった。

群馬県藤岡市の関越自動車道で7人が死亡、39人が重軽傷を負った高速ツアーバス事故で、バスが衝突した防音壁と直前に設置されたガードレールの間に20~30センチの隙間があったことが30日、捜査関係者への取材で分かった。この隙間にバスがはまり込むように衝突、防音壁がバスに深く刺さったとみられ、群馬県警捜査本部は隙間が被害を拡大したとみて調べている。

 このいたましい事故についてはバス運転手のみならず、道路の構造のそのものについても問題があるかもしれない。防音壁がガードレールより道路側に設置されていたか、あるいはガードレールの衝突によって防音壁にぶつかるような構造になっていれば、高速道路としては欠陥かもしれない。

 関越自動車道は東日本高速道路株式会社管理するが、国の管理と同じ扱いであるため、国家賠償法が適用される。同法2条「道路、河川その他の公の営造物の設置又は管理に瑕疵があつた」場合は賠償責任を負うと定めている。過失は賠償の要件とはなっていない。被害者は営造物の設置、管理の瑕疵を明らかにすればよい。
 
 この点については道路の落石事故によって死亡したとう事件があり、有名な最高裁判決がある(最判S45.8.20判決)。
 これは「の営造物の設置または管理の瑕疵とは、営造物が通常有すべき安全性を欠いていることをいい、これに基づく国および公共団体の賠償責任については、その過失の存在を必要としないと解するを相当とする。」よく落石が起こるのに放置されている状態を「瑕疵」と判断した。

 本件では防音壁が出っ張るような構造でれば、そのような出っ張り、あるいはガードレールを押し倒すことによって出っ張りが生じる構造になっているとしたら、瑕疵にあたるかもしれない。道路においては出っ張りが大きな被害につながることは常識的なことがらだと思う。これが一般常識だとしたら、施設管理の瑕疵といいうるかもしれない。

 実際の裁判ではガードレール、防音壁の構造、位置関係、バスがガードレールに衝突した経過などを検討することになる。