名古屋E&J法律事務所ブログ

2018.08.09 木曜日

交通事故 非骨傷性頸髄損傷

 レントゲンやMRI所見では大きな問題が認められないが麻痺や疼痛といった重篤な神経症状があるという例は少なくない。交通事故では最も難しい事件ということになる。
 
 脊髄は交通事故に伴う外力によって損傷することがある。一度損傷した脊髄はもとにもどらない。
 強い衝撃に首に加わり、一時的に頸髄が強く圧迫されることにより脊髄が損傷するということらしい。
 
 教科書的には「頸髄を過伸展すると黄色靱帯が前方にたくれ込み、脊柱管を30%狭窄する。」と書かれている。そのメカニズムは十分解明されておらず、椎間板ヘルニア説とか、脊柱管狭窄説とかあるということだ。
 
 つまり、外力により何らかのメカニズムで脊髄を納めている管が狭くなって脊髄を損傷するが、骨や脊柱管の状態はまたもとに戻ってしまうということのようだ。頚椎の前方脱臼があったが自然整復されてしまった場合ということかね。その結果、頸髄は害されるが、骨や椎間板、靱帯などの状態は問題ない状態が生まれるらしい。
  
 画像上の所見は十分でなくとも、こんな場合は頸髄損傷を疑うことになる。
① 明らかに頚椎に外力が加わっていること。
② 直後から麻痺が生じたこと。
 
 首の損傷の場合、麻痺については歩行は可能だが上肢麻痺は強いのが一般である。
 尿意がなくなるということも診断基準となる。
 MRIについては骨などについては異状が少ないが、MRIにて頸髄の損傷が読み取れる場合もある。