名古屋E&J法律事務所ブログ

2018.09.16 日曜日

交通事故 遂行障害

 高次脳機能障害の症状の1つに遂行障害というのがある。これはかなりわかりにくい。
 主には前頭葉にかかわる部分が傷害されるのである。「遂行機能」というのは、「目的をもった一連の活動を有効に成し遂げるために必要な機能であり、自ら目標を設定し、計画を立て、実際の行動を効果的に行う能力とされる。」(「高次脳機能障害」中外医学社、156頁)。
 
 例えば、脳が害されたために「もの忘れする」、「会話にさいしてまとまらない」、「デジカメなど新しい機械の使い方が分からない。」、「優先すべき仕事が見つからない」、「目移りして作業が進まない」と言った症状が現れる。「人との会話のキャッチボールがうまくいかない」、「表情がやわらかくなった」、「喜怒哀楽がなくなった」といった失感情といわれる症状が出ることもある。
 
 こうした症状は過去の日常生活と比較しないとなかなか分からない。ところが、過去の生活がどうであったかというのは日記でもつけていないかぎり難しい。私たちが裁判でこうした遂行障害を立証する場合、過去どうであったかを本人はもちろん、家族からも聴き取っていく。それを書面化して裁判所を説得するしかない。