名古屋E&J法律事務所ブログ

2017.04.06 木曜日

交通事故による後遺障害等級認定(高次脳機能障害)の手続き(Yahoo知恵袋)

交通事故による後遺障害等級認定(高次脳機能障害)の手続きについてお尋ねします。
質問の主旨は言うまでもなく、適正な後遺障害の等級認定を得るためにはどうすべきか、です。
2012年11月末に父80才の自転車が四輪車と衝突し、救急搬送された急性期病院に入院してから約2か月が経過しています。
受傷後4日後に開眼してからは自発呼吸可となり、簡単な問いかけに対してイエスノーを頷きや首振りで回答するまでに回復し、現在も日による波はありながらも意識レベルや上下肢の運動機能は着実に改善に向かっていますが糞尿失禁の常時要介護状態(現状推定:第一級)で、医師からはびまん性軸損傷の診断を受け、口頭では今後飛躍的な回復の見込みは薄いと言われています。

昨年末より転院を勧告され、現在打診に対して受け入れ可能の回答があった「療養型医療施設(全病床)」への転院を検討しています。「回復期リハビリ病院」は軒並み受け入れ不可でした。

転院先の病院へは、気管切開/経鼻経管栄養という状態であるからなのか「医療保険適用病床」への入院となりますが、身体運動系のリハビリ設備は充実しているものの脳神経外科は無くMRI等脳検査設備もありません。そして主治医は内科医になるとの事でした。また入院後は病状により病院側の判断で「介護保険適用病床」へ移管すると文書上にあります。

現院のメディカルソーシャルワーカー(以下MSW」からは、“現院で治療は終了し、今後は加療・療養となる”旨の説明を受けましたが、担当主治医は治療終了に伴う“症状固定”を現時点でする意思はありません。
今後のケアが治療として認められるか介護になるかで来たるべき自賠責の「後遺障害の等級認定」にどう影響するのか、以下の懸念を感じています。

1)そもそも後遺障害賠償の起点となる“症状固定”の時期はどのように決められるのか?内科医である主治医が継続的診断の上で判断し「後遺障害診断書」の作成が出来るのか?

2)「療養型医療施設」での療養は、等級認定申請の要件とされる“受傷後6か月間の継続治療”に充たるのか? 充たらないとすれば何か必須条件か?

3)受傷後6か月内に介護保険適用病床に切り替えられた場合、それ以降のケアは等級認定上の“治療”に充たるのか? 医療保険適用=治療行為という解釈なのか?

4)介護保険適用となった時点で、加害者側の任意保険会社は治療費の支払い終了を主張してくるのではないか?

その他、留意点(病院側、対向保険会社側ともに)がありましたら、ご教示頂ければ幸いに存じます。
補足
質問追加です。

5)このまま障害等級第一級の状態だと、親族による損害賠償請求手続きを可能にするための家庭裁判所への「成年後見人開始の手続き」が必須になるかと思いますが、法的に選任されるまで相当な期間を要するため、その手続き申請は「後遺障害診断書」発行後(症状固定日後)、最優先に行うべき事との認識で問題ないでしょうか?

本件は過失相殺が問題にならないのでしょうか。過失相殺が問題なりそうな事例であれば早めに弁護士に相談することをお勧めします。治療費や付き添い看護費用が高額である場合には過失相殺によって減額され、減額された分だけ既払金の精算が求められます。また、現場の情報は時間を経るごとに無くなっていくので、早期に証拠を固める必要があるかも知れません。

 
1.
症状固定は医師と患者(この場合は家族)との協議によって決まっていきます。症状固定時期は医学的判断を基礎にした法律的なものです。ある意味、目的に沿って融通が聞いてきます。高次脳機能障害の場合、回復してく傾向にあるため、非常に判断が難しくなります。家族としてはリハビリに期待したりする部分もあるので、簡単に症状固定に踏み切れません。一方で、なんというか交通事故賠償問題について裏技が好きなタイプの人たちのアドバイスでは症状が重いうちに症状固定するべきだという人もいます。こういう要素も考慮することはありますが、あまりにも賠償問題に特化した形でこういう考えをだすことについては、私はこれは余りお勧めできません。このあたりは難しいことを理解してくれる弁護士とよく相談され、さらに医師とも協議して決めるという回答より外はありません。なお、高次脳機能障害の程度については必要な資料が多くなるので普通の後遺障害診断書だけでは足りなくなります。主治医ができなければどこか紹介してもらえるのではないかと思います。全国のリハビリテーションセンターなどがよいかと思います。
 
2.
「療養型医療施設」についてご心配されていることは、治療以外の「療養」という要素が入っていて、それが賠償の対象になるかどうかという事ではないでしょうか。「受傷後6ヶ月間の継続治療」というのをどういう意味で心配されているかわかりませんが、結局、症状固定前、必要と認められて行われた治療費が賠償としての治療費です。
 
3.
この場合、保健医療適用かどうかというのではなく、回復の見込みを目的に行われた医療行為が治療です。
 
4.
介護保険適用になったからといって、治療費支払いを終了してくることはないかと思います。
 
5.
成年後見の手続きは家庭裁判所に申請し、必要な鑑定や他の親族からの意見など聴取して決定されます。本件のように問題の少ない事例は要領よく行えば3ヶ月ぐらいだと思います。