名古屋E&J法律事務所ブログ

2018.10.12 金曜日

企業損害-反射損害

  ある会社の代表者又は従業員が事故に遭い、その代表者又は従業員が傷害を負って仕事を休業することとなった場合、当然、その代表者又は従業員個人としては損害賠償請求ができます。

  では、その会社が、その代表者又は従業員に対し、休業していた分についても役員報酬や給料を支払った場合、どうなるでしょうか。

  かかる役員報酬や給料の支払いについては、反射損害、肩代わり損害と言われ、会社はその加害者に対し賠償請求できるとされています(もっとも、役員報酬については、労務の対価の範囲が問題となりえます)。

  その理論的な根拠については様々な学説があるのですが、結論としては、判例においてもかかる反射損害の請求は認められています。
  たとえば、横浜地判平成24年12月20日は、以下のように述べて、反射損害を認めています。
  「争点二(原告会社の損害額)について
   (1)原告甲野に対する役員報酬の支払について
   前記一認定のとおり、原告甲野は、本件事故による傷害のため七九日間休業したが、原告会社は、上記休業期間についても、従前どおり年収九〇〇万円を前提とする役員報酬を支払っている。これは、本来であれば、原告甲野が被告らに対し直接請求できる損害を原告会社が肩代わりして支払ったものであり、本件事故との間 に相当因果関係が認められる。」

  したがって、このような場合は、代表者個人だけではなく、会社も原告となって損害賠償請求をするかを検討しなければなりません。


(この記事は弁護士小林哲也が担当しました)
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