名古屋E&J法律事務所ブログ

2018.10.14 日曜日

交通事故 CRPSメモランダム

最近、どういう訳かCRPSに関連した交通事故事件が多い。そこで、CRPSについて簡単にまとめておきたい。

 
 CRPSⅠ型とⅡ型がありもともとはRSDと呼ばれていた。いまでもRSDという用語はよく使われている。それはRSD、すなわち反射性交感神経性ジストロフィーという用語のうち、「反射性」、「交感神経」という言葉が病態をよくとらえていると考えられているからだ。

 このCRPSⅠ型については一応の診断基準があって、1994年、国際疼痛学会(ISAP)が一応の基準を提起している。2008年には厚生省CRPS研究班も診断基準を提起している。もっとも、CRPSは文字通り複雑な病気で、中々単純な基準では割り切れない。頑迷な痛みだけでCRPSと判断できるかというとそうでもない。一般的には患部の浮腫、腫張、拘縮、筋萎縮など何か客観的な判断要素が求められるようだ。

 RSDについては突発的に生じ、そのメカニズムもよくわからないことから、なかなか治らない病気とも言われている。しかし、最近は対処療法を徐々に進み、交感神経ブロック、神経ブロック、さらには薬物療法を組み合わせることで痛みの連鎖を絶ちきる例も少なくない。

 RSDは3つの時期に分かれていると言われる。第1期が発症から3ヶ月、第2期は9ヶ月まで、それ以降は3期と説明されている。発症直後の状態をpreと説明する論文も存在する。ともかく、初期の治療は重要で、一般的には神経ブロックなど疼痛を遮断する治療が実施される。また、痛みのために関節が拘縮してしまうため、痛みをとりつつリハビリを実施していくというのが治療の一般だ。
 
 交通事故あるいは交通事故後の手術によってRSDが発症することになる。これらは一般的には神経症上として片付けられてしまい、しかも、画像所見にとぼしいので後遺症認定は苦労する。RSDを論点するする弁護士は、このRSDについての正確な知識が求められるが、勉強も大変だ。