名古屋E&J法律事務所ブログ

2018.11.01 木曜日

交通事故 差額説と労働能力喪失説

 逸失利益は後遺障害によって生じる将来の被害を賠償するものです。事故がなかったら十分働けたであろう損害です。
 
 この損害について、差額説というのがあります。後遺障害によって現実に所得が下がることが必要だと言う考え方です。この考えだと、後遺障害があっても今まで通り働き、今まで通りの収入があれば逸失利益は得られないと言うことになります。
 
 もう一つは労働能力喪失説というもので、人の能力が低下したというだけで賠償するべきだというものです。この説だと、現実に所得が落ちるかどうかは問題になりません。
 
 判例は差額説をとっています。例えば、醜状被害などは実際には労働能力は喪失しないとして逸失利益を認めないことがあります。
 
 しかし、判例は緩やかな差額説とも言うべき立場です。減収が生じていなくても、被害者の人一倍の努力や、職場の配慮で従前の所得が維持できているような場合には逸失利益を認めます。