名古屋E&J法律事務所ブログ

2018.11.09 金曜日

交通事故 生活費控除

 死亡事件では逸失利益に対して生活費控除というのが行われる。
 逸失利益というのは生きていれば得られたであろう利益、将来の収入を賠償してもらうというものだ。将来の賠償というからには、将来の生活費も考えろと言うことになる。つまり、死亡により生活費が節約されたのであるから、その分差し引けと言うのが生活費控除の考え方だ。
 
 教科書的には次の様になっている。
 ① 一家の支柱が死亡した場合
       ■ 被扶養者が1人・・・・30%
       ■ 被扶養者が2人・・・・40%
 ② 女性・・・・30%
 ③ 男性・・・・50%
 
 生活費控除というのは現実にどの程度生活費として使われているかというような考え方よりも、政策的な判断が強い。
 
 というのは、一家の支柱の控除が小さいのは、残された家族の扶養のためにはあまり引くのは妥当ではないという考え方だ。独身女性が低いのは女性は賃金が低いので余り引くと気の毒だ、男性とのバランスがとれなくなるという考え方だ。
 
 しかし、生活費控除の本来の趣旨から考えて、有利な事情があれば、変化する。例えば、いくつかの収入があって、生活費が必要ないということであれば生活費控除を認めない判例もある。