名古屋E&J法律事務所ブログ

2018.09.11 火曜日

交通事故 事故による精神病の誘発

 交通事故によって精神疾患が誘発されることは少なくない。事故が原因でうつ病となり、自殺にいたるような事例もある。こういう場合、事故との因果関係を認めるの判例だ。ただし、多くが被害者の心因的要因を考慮して、減額する(民法722条2項類推適用)。

 心因的要因を交通事故被害にどうとりこむかについては議論があるが、最高裁昭和63年判決は上記の内容の判決をくだした。おおむね受け入れられているが、当時は高次脳機能障害が必ずしも十分受け入れられていなかった時期でもあることからこのような判決になった気もする。

 つまり、高次脳機能障害が生じて、そのためにうつ病になっったとも考えられるが、この時期、高次脳機能障害が確立していないために単純にうつ病と位置づけられたかもしれない。現在では高次脳機能障害が交通事後被害であると明確になっているから、そのような事例でうつ病を素因ありとみて単純に減額することはできないような気がする。

 うつ病、外傷性神経症、統合失調症など明確な病名がある場合、あるいは強いストレスからトラウマになるような場合もあろう。精神疾患についてもあきらめないで賠償請求することが重要ということになるだろうか。