名古屋E&J法律事務所ブログ

2018.11.23 金曜日

交通事故 実況見分調書

 実況見分調書は事故後警察官が調査して作成するものだ。事故直後であることや、当事者双方が立ち会うこと、日本の警察という非常に専門性の高い職員が作成することから、けっこう信用されている。
 
 しかし、実際に事故を再現することには限界がある。また、被害者が重傷であったり、死亡しているような場合には被害者が立ち会うことなく調書が作成されることがある。加害者の言い分など聞きながらの調書であれば、加害者よりの可能性もある。
 
 実際の実況見分調書はかなりいい加減なところもある。実況見分調書どおりであればつじつまが合わず、そんな非現実的なことがあるはずないと思ったりする。しかし、油断してはならない。裁判所はばかばかしいと思われるほど非現実的な内容であっても、素直に調書どおり認めてしまうことがある。
 
 これは、裁判所が真実を探求するという姿勢にかけているからだ。自分の思った結論にそって、判決文を書くために大胆にいい加減な調書を利用してしまうことがある。そのためには、調書もきちんと批判しておく必要がある。こんなバカなことを裁判官が信じるはずがないと思って、論証をおろそかにすると、手ひどい目にあうことがあるのだ。