名古屋E&J法律事務所ブログ

2018.12.01 土曜日

交通事故と生命保険

交通事故と生命保険・・・一見関係あまりないように思われます。
私たち弁護士も交通事故の相談を受けて、被害者の方の生命保険がどのような契約になっているか、必ずしも常に確認するわけではないのが実際です。

しかし、実際には交通事故に遭ってしまった際に、生命保険は関係してくる場合が多いので、必ず生命保険の契約内容もチェックするのが良いと思います。思わぬ発見があるかもしれません。

例えば、受傷後、治療段階。
私たちはまずは加害者の任意保険、次に自賠責保険、被害者本人の労災保険などから治療費を捻出することを考えます。しかし、これらから治療費が出ない場合でも、生命保険から治療費が出せる場合があるのです。しかも特別な特約などつけなくても基本プランとしてそういった条項がある場合があります。

 また、傷害特約や特定損傷特約など、更に手厚い保障が受けられる特約に気づかないまま入っている(あるいは最初は入ったことを覚えていたけど忘れてしまった)場合があります。

 こういった契約の内容は約款を持ってきて頂いて弁護士に確認するか、保険会社の担当者やお付き合いのある代理店さんに尋ねて教えてもらうと良いと思います。
 また、まとまった一時金が出る場合もあります。死亡の場合は当然ですが、死亡と同視できるようなひどい後遺障害が残った場合には死亡保険金とほぼ同額が出る場合もありますし、後遺障害に対応して払われる場合もあります。

そして、何より重要なのは、こういった生命保険からの保険金というのは、交通事故の損害額から控除されないということです。つまり、加害者側から受け取る賠償金とは別に、保険金が受け取れる、ということです。裁判例では、保険金というのは払い込んだ保険料の対価であるのがその理由とされています。

 交通事故の際に生命保険が重要な理由はこれだけではありません。実は生命保険から「弁護士費用」が出る場合もあるのです。生命保険に、「個別賠償責任特約」がついている場合です。これは個別の賠償事故が起きてしまった場合にその賠償金を保険でまかなうもので、自動車の損害保険に似ています。損害保険に弁護士費用特約がついている場合が増えているのはご存じの方が多いと思いますが、この「個別賠償責任特約」にも弁護士費用特約がついている場合があるのです。

 以上のように、交通事故と生命保険の関わりは案外深いです。いざとなったとき「生命保険どうなってたっけ」と思い出して頂くと良いかと思います。


(この記事は弁護士 小島寛司 が担当しました)
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