名古屋E&J法律事務所ブログ

2018.12.06 木曜日

交通事故 神経症状中心の事件をどのように進めるべきか

 神経症状中心の事件をどのように進めるかは事務所では大きな課題となっている。
 後遺障害を争わない事例では労働能力喪失期間をいかに延ばすか、慰謝料を少しでも多くするためにはどのようにしたらよいかというのが課題となる。

 後遺障害を争う事例はとても難しい。多くが画像上の所見がないか、あってもせいぜい「椎間板の膨隆を認める」程度の所見しかないからだ。

 画像上の所見はわかりやすい。それがない場合、画像に匹敵するだけの何か重要な他覚的な所見を追求することになる。少なくとも、患者の症状を説明できるだけの医学的な根拠を示す必要がある。実際にひどい被害があっても何らかの医学的説明をしなければ裁判所は後遺障害を認めない。

 この場合の医学的な説明、その根拠が難しい。

 神経症状がありながら、画像上でないということであれば、画像上でない場所で損傷があるということになる。手足といった体の先から脳に至るまでの神経の経路のどこかに異常があって、それは画像上確認できない場所ということになる。

 それは、肘部管、胸郭出口部の損傷といった場合があるかもしれない。神経の根部に出血、炎症、癒着といった例があるかもしれない。中枢神経の軸索損傷ということがあるのかもしれない。ともかく、どうして痛いのか、どうしてしびれるのかという難問を臨床的に説明できなければならない。

① 患者の症状、患者の治療内容、治療経過が基礎的な事実として意味を持つ。
  症状の一貫性というのも重要だろう。

② 異常反射、誘発試験は基礎中の基礎だ。
  しびれ、痛み、感覚障害といった神経症状の分布と傷害部位の対応関係も必要だ。
  症状の一貫性というのも重要だろう。

③ 筋電図検査や電気生理学検査結果
  あるいは、試験的なブロック治療つまり特定の神経をねらったブロック治療の結果は医学的な説明の根拠となる。