名古屋E&J法律事務所ブログ

2018.12.12 水曜日

荷物の積みおろし中の事故

 当事務所では所属弁護士の取り扱った事件全部についていつもレビューを行っている。
 若い弁護士が積荷おろし中の事故の相談を受けたところ、交通事故として扱えないかが話題となった。

 路上に駐車して積みおろししている時に積荷などによって発生した事故は自動車運行によって生じた事故と言えるだろうか。

 自賠責法3条は運行供用者の責任を認めるが、条文には自動車の「運行によつて他人の生命又は身体を害したとき」に損害賠償の責に任じるとなっている。この場合、停車中の積荷の上げ下ろしがこの「運行」によるものであるかが問題となる。

 最高裁は駐車中のトラックからフォークリフトによって積荷の原木の上げ下ろし中に原木が突き落ちた結果、歩行中の被害者に当たり、被害者が死亡した事件について、「本件事故は、本件車両を『当該装置(トラックの荷台)の用い方に従い用いること』によって生じたものということができる」から、「運行によって」生じた事故と言えるとした(最判S63.6.16.判時1298.113)。
 
 積荷の事故については否定した判例もあり、単純ではないが、「装置の用い方」という点が判断のキーポイントである。荷台という装置を用いているときの事故という点で、「運行によって」を判断している。
 
 積荷の上げ下ろしは交通事故とは本来言い難い面もあるが、こうした事故も自賠責法が使える点、大いに参考になる。