名古屋E&J法律事務所ブログ

2018.12.14 金曜日

心因性の被害

交通事故が原因で精神を病むことがある。外傷後の神経症を外傷精神軽症と呼ぶことがある。

 
 例えば、事故後の被害が原因となり精神を病み、外傷性神経症に罹患し、さらにはうつ病となることがある。うつ病は自殺を将来しやすいことから、事故→外傷性神経症→うつ病→自殺の因果関係が認められている(最高裁H5.9.9判時1477、42頁)。

 外傷後の神経症については最高裁のリーディングケースにはS63.4.21判決がある(判時1276、44頁)。
 これは事故後の神経症状を生じたが、その症状については3年間については因果関係ある者とした。しかし、3年間も症状が継続したのは、被害者の心因的要素も加わっていたと認定し、民法722条を類推適用して減額した。

 この事例をどうみるかについてはいろいろあるかもしれない。つまり、現実に症状があるにもかかわらず心因的要素としてそれを完全に認めなかったと考える方法がある。

 一方、心因的要素があったとしても被害はあるとして心因的要素の被害についても賠償を認めたとも考えることができる。

 ただ、民法722条を類推したことにより、心因的要素の減額について立証責任を加害者に負担させたという点ではよいかもしれない。