名古屋E&J法律事務所ブログ

2018.12.18 火曜日

交通事故 自損事故条項とその限界

 単独で起こした事故や相手に過失のない事故を自損事故と言います。
 自家用自動車保険約款には自損事故条項というものがあって、「運行に起因する急激かつ偶然な外来の事故」の場合に賠償されるようになっています。

 ここでいう「運行に起因する」とは、自賠責法3条の「運行によって」と同じ意味になります。
 ただ、自損事故の場合なので、運行起因性の判断も少し違ったところがあります。

 たとえば、自動車が橋に衝突して宙づりになり川に転落して死亡したというような場合、運行起因性が認められています(大阪高裁S59.4.18)。

 しかし、運行直前バッテリーの不具合によって爆発事故により片眼の視力を失った事例では否定されました。

 何が運行起因の事故かというとき、自動車固有の装置によって生じたことのほかに、運行によって生じたという装置の運用と事故との因果関係が必要となります。上記の判例は方や因果関係を肯定し、方や因果関係を否定したということになります。