名古屋E&J法律事務所ブログ

2018.12.22 土曜日

交通事故 加害者の供述調書

 交通事故の加害者は自動車運転過失傷害という罪になります。加害者はこの罪で刑事裁判となり罰せられます。しかし,事故が軽微であったり,被害者が許していたりするとそもそも裁判されないことがあります。これを起訴猶予と言います。私たちはこれを単純に不起訴と呼びますが,正確には起訴保留状態というところでしょうか。
 
 刑事記録は交通事故の当事者にとって良くも悪くも貴重な資料となります。たとえば,実況見分調書及びそれに添付された写真は事故直後のなまなましい状況が記録されているのでとても有益です。ただ,注意を要するのは実況見分調書が正しいとは限らないことです。それを鵜呑みにすることはできません。
 
 私たちはそのほかにも加害者の供述調書というものがあります。これは警察の調べに対して,加害者が供述した事故内容を書き取ったもので,事故の状況や加害者の心理を知る上では貴重な材料となります。
 
 このほかにも刑事記録は民事事件の当事者にとって貴重な資料ばかりです。これらは警察が権限や費用をつかって収集した資料なので民間では比べものにならないすぐれた資料が集まるのです。
 
 問題はこれらの資料を私たちがどうやって入手するかです。刑事裁判になった場合,確定記録と言って刑事裁判で提出された資料を入手することができます。
 しかし,不起訴になった場合には,入手できる記録は限られます。客観的状況を明らかにする証拠,つまり,実況見分調書などが入手できますが,供述調書は入手できないのが原則です。
 
 平成20年から法務省は不起訴記録の閲覧について若干の緩和を行いましたが,実態はあまり変わりません。