名古屋E&J法律事務所ブログ

2019.04.09 火曜日

交通事故 段階的に等級認定する矛盾

「一上肢の三大関節中の一関節の用を廃したもの」は8級で労働能力喪失率は45%、「一上肢の三大関節中の二関節の用を廃したもの」は6級で67%となります。

 逸失利益でこの差は大きいです。たとえば、20歳、年収400万円の人の逸失利益の差は、8級で400万円×17.981×0.45=2678万2200円、6級の場合は3987万5720円と1300万円以上の差があります。これに後遺障害の慰謝料の差がありますから2級の差でおそらく2000万円近い差がでることでしょう。

 ところで,等級というのはこのように階段状に認定されるので2級の差がかように大きいものです。しかし,本来、被害は連続しているのですから、後遺障害を段階的にしてしまうこと自体に無理があります。たとえば、「一関節の用を廃した」場合を一括りにしていますが、障害の程度によって差はあると思います。

 神経症状場合だと、14級、12級、7級と飛び飛びに認定されるのですが、この割り切りによって不合理な場合が出てきます。

 裁判ではこうした事情から中間的な喪失率を認定することもあります。たとえば、45%と67%と中間といった感じです。あるいは、喪失率は左右しないのですが、喪失期間を長くすることで公平感を小さくするという場合もあります。