2016.06.29 水曜日

豊橋発:消費税増税と買いたたき

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 消費税増税に伴い、消費税特別措置法が制定された。この法律は中小企業にとっても無視できない法律となっている。

 
 
 ともかく、中小企業の場合、消費税転嫁に対して値引きを求められてしまうので、この法律がそれを規制しているということになる。どこまで、本気で規制されるかは行政次第だ。しかし、中小企業の場合、中々、役所に「転嫁を拒んだ」と申し出るのは難しいが、やりようによっては行政を利用できる。
 
 ともかく、法律での検討事項は次の2点だ。
 
① 基本的には消費税増税ともなう買いたたきをどのように防ぐか。
② それに伴い価格表示のあり方はどのようなものになるか。
 
 ここで①を中心に整理していきたい。
 
【特定事業者・特定供給事業者】
 特別措置法の適用になる事業者を特定事業者、特定供給事業者としている。特定事業者は小売など売る側のことで、特定供給事業者は商品を納入する側のことを言う。規制はややこしくなるが、要するに、「売る側」が大規模で、「買う側」が小規模の場合は特別措置法は適用されない。詳しく知りたい人は財務省のガイドラインを参照されたい。これは下請法より幅が広い規制だ。
 
【買いたたきの防止】 
 この法律は、消費税分の上乗せを拒む行為をいろいろな角度から規制している。基本的には「通常支払われる対価」に対し、「合理的な理由」なくして減額をするような場合が規制の対象となる。
 「通常支払われる対価」というのは「消費税率引き上げ前の対価に消費税分を上乗せした額」である。要するに消費税がありながら、増額を拒むことを厳格にすると難しい言い回しになる。
   
 これは次の二つの場面で問題になる。
① 平成26年3月31日の時点で供給されていた商品に消費税額の転嫁を拒むような場合。
② 平成26年4月1日の時点、以降に供給される新商品
 
 ①はそれまでの取引実例から判断して、8%あがっていないのは変だという考え方で規制される。
 
 ②については同種、類似の商品と比較して8%上乗せされていないと判断されると規制の対象となる。実際は難しいだろうとは思う。
 
【合理的理由】
 商品の卸し価格がそれほどあげられていないと原則消費税転嫁を抑制する行為があったと疑われてしまうが、合理的理由があれば許される。
 例えば、原材料が下落していたり、輸送コストが削減していたりすると「合理的理由」ということになる。
 
 100円の商品を、105円で相変わらず供給しているような場合、本来違法行為ではあるが、材料が下落したから105円にしたのだというような場合はOKということになる。