2017.01.20 金曜日

豊橋発:交通事故後,別の理由で死亡した場合の賠償額

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 交通事故で後遺障害を負ったものの,その後何らかの理由で死亡してしまった場合には被害者はどのような請求ができるだろうか。
 
 たとえば,交通事故後,症状固定し12級となったものの,その後別の病気で死亡してしまった場合は逸失利益の計算に影響を与えるだろうか。逸失利益は通常67歳まで労働できることを前提に計算する。そのためたとえば40歳で症状固定した後,裁判中死亡したような場合はどうなるか問題となる。45歳までの逸失利益が賠償範囲ではないか。
 
 この点,最高裁判所は症状固定後の死亡後を原則として考慮しなくてよいという判断を示している。つまり,症状固定後死亡しても逸失利益は67歳まできちんと計算すべしという立場だ(最判H.8.4.25,最判H.8.5.31,交通事故判例百選102頁)。
 
 最高裁は次のように判示している。
「いわゆる逸失利益の算定に当たっては,その後に被害者が死亡したとしても,右交通事故の時点で,その死亡原因となる具体的事由が存在し,近い将来における死亡が客観的に予想されていたなどの特段の事情がない限り,右死亡の事実は就労可能期間の認定上考慮すべきものではないと解するのが相当である」
 
 最高裁の事例は,被害者(事故当時44歳)は症状固定後6日後,海中に貝を捕りに行って心臓麻痺により死亡してしまった事例だが,67歳までの就労可能性を認めた。もう一つは,事故後3ヶ月後に別の交通事故で死亡した事例だ。