2017.01.26 木曜日

豊橋発:どこで裁判するか(国際裁判籍)

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 契約書上どこで裁判するかはけっこう重要だ。中小企業家の場合,契約書にはそもそも無頓着なことが多いが,その中でも「管轄」つまり,どこの裁判所で裁判するかを定める条項には無関心だ。

 そもそも紛争などありっこないし,裁判などもないという固定観念があって,「管轄」の問題にも無関心になってしまう。

 しかし,名古屋の企業が札幌でしか裁判できないとなったらどうだろうか。裁判を行う場合には費用もばかにならない。

 このことは国際的な契約においてはさらに重要になる。
 国際取引における契約書ではどこで裁判をするかというだけでなく,どこの法律に準拠してさばいてもらうかという議論まで含まれるからだ。国際取引の契約書ではこの攻防も重要な議題の一つだ。

 もっとも,国際的な取引では意味なく国際裁判籍が決められることがある。大阪高裁では最近,国際専属裁判籍をタイ王国とする合意が無効であるという判決を出した。

 これはタイのカードゲーム制作販売する会社への投資話で合計6000万円出資させたという事件だ。投資に関わる契約書には裁判籍はタイ王国とするとなっていた。
 しかし,関係者は全て日本人で普通の投資話と変わらない。何もタイで裁判する必然性がない。そこで,大阪高裁はこれを無効として大阪で裁判できるとした(H26.2.20,判時2225号77頁)

 国際裁判籍については最高裁判所は「甚だしく不合理で公序法に違背する等の場合には無効となる」と判断している(最判S50.11.28,判時799号13頁)