2013.09.04 水曜日

豊橋発:「仮渡金と内払金の違い」

法律相談はE&J豊橋法律事務所の弁護士が対応いたします。
 
 
交通事故に遭った場合,治療途中の段階でも,保険会社から当面の治療等の費用として,「仮渡金」や「内払金」が支払われる場合があります。
この2つの違いについては,ホームページ(http://nagoya-jiko.net/accident/tips.html)でも触れていますが,簡単にいえば,仮渡金は法律で認められている制度,内払金は任意保険会社の自主的な制度です。
2つがどんな点で違うかについて,より詳しく,これからお話しします。
 
 
まず,仮渡金について説明します。
仮渡金は,自賠法(自動車損害賠償保障法)で定められている制度です。
自賠法の17条で,仮渡金が請求できることが定められています。
具体的に請求できる場合とその金額は,以下の通りになります(自賠法施行令5条)。
 
①死亡の場合   290万円
②傷害の場合で,以下の特に重傷の傷害の場合    40万円

 ・脊柱の骨折で脊髄を損傷したと認められる症状があるもの
 ・上腕又は前腕の骨折で合併症があるもの
 ・大腿又は下腿の骨折
 ・内臓の破裂で腹膜炎を併発したもの
 ・14日以上病院に入院が必要な傷害で、医師の治療が必要な期間が30日以上のもの
③傷害の場合で,以下の傷害を負った場合           20万円

 ・脊柱の骨折
 ・上腕又は前腕の骨折
 ・内臓の破裂
 ・病院に入院することが必要な傷害で、医師の治療が必要な期間が30日以上のもの
 ・14日以上病院に入院することが必要な傷害
④11日以上医師の治療が必要な傷害(上記②,③の傷害は除きます。)を受けた場合   5万円
 
以上のように,仮渡金は法令で定められた制度で,金額も法令で決まっています。
また,仮渡金を請求する場合は,支払請求書(自賠責の保険会社に言えばもらうことができます),診断書等の一定の書類が必要になります(自賠法施行令6条,3条)。
保険会社へこれらの書類を提出した後,約1週間後に支払われます。
また,請求できるのは1回に限られます。
 
 
次に,内払金について説明します。
内払金は,法令で決められた制度ではなく,任意保険会社が独自で決めている制度です。
金額は仮渡金ほどの限定はされていませんが,治療費,入院雑費,通院交通費,休業損害等の損害に限って支払われます。
これに対し,逸失利益や慰謝料といった損害については,通常は支払いの対象になりません。
 
また,内払金は,複数回の請求もできます。ただし,金額の限度があります。
請求するためには,初回は,交通事故証明書や印鑑証明書,それに診断書や診療報酬明細書,休業損害証明書等が必要になります。
そして,2回目以降は,交通事故証明書や印鑑証明書は不要になり,診断書や診療報酬明細書,休業損害証明書等だけが必要になります。
それから,支払いに当たって調査が行われるため,必要書類を提出してから支払いまでに,少なくとも1か月はかかります。
 
 
ちなみに,損害賠償の金額が確定した場合,仮渡金,内払金ともに賠償の前払いの意味を持つ金額ですので,確定した損害賠償金額から支払い済みの仮渡金,内払金が差し引かれることになります。
また,支払い済みの仮渡金がある場合,内払金請求の時にも仮渡金の金額が差し引かれることになります。