2017.02.02 木曜日

豊橋発:リーガルコスト

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 中小企業,それも零細企業の特徴として何でも曖昧にしておこうという傾向がある。こうした会社の意識はいつもどこかで逃げることができるようにしておきたい,事情の変更によって有利に変更できるようにしておきたいという意識が働くようだ。
 
 お金を借りるが契約書を作らない。物を買うが誰が買ったか分からない。人を雇っても労働条件は曖昧にする。事業提携上の条件は煮詰めておかない。何もかもがあいまいで信頼関係でものを処理する。
 
 契約を軽視するこうした企業の傾向は契約書を作らないというだけではない。逆にきわめて軽々と契約書にサインしてしまう傾向にある。銀行に言われたから信用して判を押す,厚生労働省が作っているひな形だから判を押す,果てはインターネットで適当にダウンロードした契約書に判を押す。
 
 契約書を軽視することからくるリスクはたとえば訴訟になったような場合思わぬ損失を被ることになる。そんな契約は知らなかったでは通用しない。小さな企業とは言え社長は経済人だ。法律の世界では契約書を読むぐらいの注意力は要求される。
 
 契約書軽視のリスクは訴訟のような極端な紛争に現れるだけではない。
 
 有利な契約書は相手との交渉力において威力を発揮する。たとえば,原油価格の値上がりあるいは為替の変動によって材料代が極端に上昇する場合がある。このような場合,材料代にかかわる契約条項をどのように決めておくかによって当事者双方の力関係が大きく変化することある。
 
 ともかく,「こんな大事な契約をするのに契約書もないなんて」,「社長,判を押す前にどうして内容ぐらい理解しておかなかったんですか。」,こういう会話は普通にある。