2017.02.09 木曜日

豊橋発:戦略グループを考える

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 マイケル・ポーターは「業界」内の競争について検討している。業界とは「代替可能な製品を作っている会社の集団」と定義されている。業界内部は一様ではなくさらに戦略グループに分けられるという。
 
 業界内部の企業群は多種多様な戦略を持っている。ポーターは戦略を分類する基準をいくつか掲げて,業界の特性にあわせた分類基準を作り上げて業界を分析することを勧めている。こうしたグループ分けが完了すると,自社が業界内でどこのグループに所属するかが分かってくる。
 
 同じグループに所属しながら自社が優位に立てないのは何処が違うのか。逆に自社は今は優位に立っているが,他社の急激な反撃はないかなどが分析可能となってくる。さらには,グループ全体の業界内の位置からして,このグループに未来はあるか,別のグループに参入するか,さらには新しいグループを作り上げていくかなど企業生命にかかわる重要課題の検討も視野に入ってくる。
 
 つまりグループに分類することにより次の利点を得ることができる。
 ① 業界内での自社の位置はどこか。自社のライバルはどこにいるか。
 ② 自社が所属する業界内のグループに未来はあるか。
 ③ 自社が所属するグループ内で競争に勝ち,収益を上げられるか。
 
 たとえば,製造業の場合次のような分類が可能かも知れない。
 ① トヨタなど特定の系列に所属しているか,そうでないか。その特定系列の比重の程度はどの程度か。
 ② 商品の多様性を追求しているか。
 
 こうした自社の位置づけが明確になれば,商品の品質の向上,営業戦略のあり方などグループ内の他社との比較で,自社の足りないもの,自社が選択するべき事業上の戦略も見えてくる。
 
 たとえば,商品の多様性を追求するグループであれば,広告宣伝などのあり方も変わってくる。商品の多様性を追求しないということであれば,一つの部品に磨きをかけて資源を集中することになる。系列も追求せず,多様性も追求しないとなると,自社の商品の汎用性と,品質の高さが重要な課題となる。
 
 あるいは,特定の系列に頼っているグループであれば,特定の大企業の動向がグループ全体に大きな影響を与える。たとえば,トヨタは現地主義的な傾向を打ち出している。中国の自動車は中国の部品で作るという考え方だ。当然,国内生産量は減少する。国内でも愛知県以外に生産現場を分散させるということになれば,愛知県のグループ全体の将来像も明るいとは言えない。
 
 
※ たとえば企業を対象とする弁護士業を一つの業界と考えた場合,次の2つの座表示軸を考えることができる。
 
 ① 顧客となる企業規模
 ② 広告宣伝による不特定多数の集客をねらうか,特別な人間関係あるいは事業者団体などを通じた特定ルートの集客を狙うか
 
 当事務所の場合,
 ① 顧客となる企業規模はどちらかと言うと中小零細ということになる。
 ② 顧客拡大ルートからすれば特定多数と特定ルートの中間に位置する。
 
 こうして分類された弁護士グループの中で当事務所の競争戦略を分析することになる。ポーターはこれを5つの要素に分けて分析し,その上での自社の最善の競争戦略を作り上げることになる。