2017.02.23 木曜日

豊橋発:多数乱戦の業界の戦略

多数乱立業界(fragmented industry)の戦略についてポーターは言及している。当たり前だが規模が大きいとかえって不都合な業界は多数乱立状態になる。たとえば地域や顧客に密着しなければならないタイプの業界は乱立しやすい。弁護士のような知的サービスは個別のオーダーに応じたものでなければならないため量産になじまない。当然,多数乱立業界の一つだ。

 
 ポーターは大企業のことばかり考えていると思ったら,こういうスモールビジネスの戦略も検討しているところがえらいというか,よくもまあ,大から小までよく考えているものだと感心させられてしまう。やはり天才かな。
 
 ポーターはこの中で多数乱立業界の原因をいくつか分析する。その上で多数乱立業界にあってどうしたら成功できるか,高い収益率を獲得できるかという問題提起をしている。この戦略については中小企業向きだ。
 
 この乱立激しい競争の中で成功を勝ち取る戦略は要するに乱立する原因を克服するために創造性を発揮せよということになる。単純にイノベーションが大切だというのではなく,小規模乱立の原因は何かを考え,それにむけたイノベーションを行えという点でより具体的だ。
 
 たとえば,ハンバーガーショップの小売店は本来地域密着型であったが,フランチャイズ型など利用して規模の経済性を発揮していった。マクドナルドや,ピザ・ハットがそうだ。
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強い統制力で商品を均質化して全国展開するという手法も存在する。名古屋で言うなら喫茶店コメダがそうかもしれない。喫茶店は地域性が強い業種だし,実際コメダの客層はローカルな人が多い。自分の町のコメダにやってくる。コメダはこうした客に対するサービスを均質化し徹底した統制で東海地方を制圧して全国に店舗を展開している。
 
 なにも,全国展開しなくても良い。ポーターは言う。特定の客のために付加価値の高いサービスをした方が利益率が高く,安定した収入が得られる。
 
 ともかく,小規模乱立型業界は小規模であることにすっかり慣れてしまい,とこか別の観点からの事業展開ができるという確信を失ってしまうことに問題があるかも知れない。どこかでイノベーションを発揮しよう,新しいことをやろうという意欲がともかくも大事だ。イノベーションの発揮しどころの参考にポーターの戦略策定の手順を紹介しよう。
 
手順1 業界の構造はどうか。競争者はそれぞれどういう位置にいるか。
手順2 多数乱戦の原因は何か。
手順3 多数乱戦の状態を変えられるか。その方法は。
手順4 変えて利益が得られるか。その場合,自社はどういう位置にいなければならないか。
手順5 多数乱戦が避けられない場合,どう対処するのがよいか。