2017.02.24 金曜日

豊橋発:コンサルタントの倫理

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 コンサルタントの助言は適法でなければならない。最近,企業再生アドバイザリーが違法なアドバイスを行って会社に損害を与えたということで,約4387万円の賠償責任を認めた事例ある(東京地裁H25.7.24 判タ1403号184頁)。
 
 これは事業譲渡と引き換えに債務を負担するという手法をアドバイスした事例だ。
 つまり,経営破綻した会社の財産をもらい受ける代わりに,その会社の借金を引き受けるという契約をした。裁判所は経営破綻し,破産準備している企業から財産を持ち出すこと自体が違法であるとした。
 
 被告となったアドバイザリーは弁護士や公認会計士を要するグループで,ここでのしかけはかなり複雑なようだ。問題となった会社はいわゆる「循環取引」という架空の取引を重ねていたようで,経営破綻の影響もどれだけ広がるか分からないような状況下にあった。経営破綻する前に財産を安全な場所に移そうとしたのだ。
 
 
 通常正当な対価で事業を譲渡して債務負担を軽くすることは普通に行われているが,本件では17億円の財産価値に対して100万円しか現金が動いていない点で,対価の正当性はないとされた。
 
 ともかく,破産手続き前に財産を散失させる行為は違法な行為とされているから(東京地裁H21.2.13,判時2036号43頁,弁護士が散失させた事例),このアドバイザリーは違法なアドバイスをしたとして賠償責任を課せられたことになる。17億円の財産を100万円で渡したのだからめちゃくちゃだと言われても仕方が無いかも知れない。
 
 もっとも,このアドバイザリーはもともと5億円を請求されて,賠償責任は4387万円の範囲で済んだのだからだいぶん助かっている。これはアドバイザリー契約に責任制約条項というのがあって,賠償責任は報酬の範囲内とされていたことで助かっている。