2017.03.10 金曜日

豊橋発:荒波を乗り切る「予測の技法」

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 マイケル・ポーターは先端業界での競争を乗り切る手法として「予測の技法(techniques for forecasting)」というのを提案している。ポーターの先端業界の戦略は中小企業戦略の策定に役立つ。なぜなら,中小企業は常に新しいアイディアで既存の市場にいどんでいなければ持続性を保てないからだ。
 
 新しいアイディア,イノベーションで勝負をかける場合,もっとも困るのは「不確実」であるという点だ。本来戦略は業界がどのように進展していくかという予測なしには策定できない。しかし,新しいものに挑戦した場合,その予測が難しい。確かなものが存在しない。
 
 こうした場合,ポーターは「シナリオ(scenarios)」という手法が有益であるという。「シナリオとは,世の中が将来どうなるか,それぞれ首尾一貫して書き上げられた,いくつかの見方のことである。」。自分なりのシナリオを作り上げ,それを現実の自社の能力の発展段階,市場の反応,ライバル達の行動などとつきあわせる。その上で動きにあわせてシナリオを改変していくという手法だ。
 
 通常は,経営判断の結果もたらされる最悪のシナリオを最良のシナリオを用意し,それと現実とをつきあわせて自社の判断の正確性を担保していくということになる。今ある情報をもとに未来に向かって判断していくので,ポーターはforecastという言葉を使っている。
 
 こうした言い方はドラッカーも用いており,ドラッカー流に言うと今の決断をするために未来を考えるというところか。彼は不確実を引き受けることが責任だといい,経営者がけがそれを引き受けることができるという。ポーターの予測の技法はこれとよく似ている。
 
 こうしたフィードバックの繰り返しをする際には重要なのはシナリオが現実に即しているか否かを判断するためのシグナルを決めておくことだという。それは単純で明確な「中心事象(key events)」である必要がある。
 
 このシグナルはたとえば,特定の顧客層の上昇だったり,利益率の上昇だったり,いろいろあるが,単純で明確である必要がある。