2017.03.29 水曜日

豊橋発:調整企業(coordinater)

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 マイケル・ポーターは「垂直統合の戦略分析」で調整企業(coordinater)という言葉を使っている。
 
「理論上は,現在企業が果たすべきだと考えられている機能はすべて,それぞれ独立した企業の共同企業体という形でやることもできるはずである。それぞれの独立企業は中心になる調整企業と契約するわけであって,調整企業は,経営者一人,机一つぐらいで十分なのである。」
 
 ポーターが「理論上」と断った上で「調整企業」も言及しているのは実際にはこれらの「機能」のいくつは一つの企業でまとめ上げられているからである。いくつかの機能を一つの企業でまとめ上げ,自「社内でやったほうが,安上がりでリスクは少なく,また調整も容易だと,確信しているのである。」
 
 として統合することの意味を述べている。
 ポーターはこの点,機能をさらに統合していくという観点から「垂直統合の戦略的分析」に言及している。ポーターの問題意識は企業はどこまで統合して総合化できるかという点にあるようにも思われる。
 
 しかし,現代社会はかなり様相が違うように思う。ポーターの「競走の戦略」が著されたのは1982年だからまだITの発達は無かった。その後,コンピュータやインターネットなどIT関連は著しい発達を遂げ,さらには輸送技術の発達も格段に進歩した。
 
 現代社会の大きな課題は,独立した事業体がいかに効率よく連携するかという点にあるように思う。世界の様々な場所で日々イノベーションが進んでいる。自社内で発展を待っていたのでは乗り遅れてしまう。むしろ,世界のどこかで発生したイノベーションをいち早く取り入れ,高い通信技術,輸送技術などで結びつけた方がより効率的な対応ができるのだろう。
 
 こうした現代社会の機能の独立化や独立した企業の効率的な相互連携は中小企業にとってもさらに多くのチャンスを生むように思う。加えて,ポーターが言及した「調整企業」の役割も重要度を増していると思う。
 
 日本の高い技術を持った企業は海外企業と連携し,「調整企業」として連携のイニシアティブをとり,さらに顧客を獲得していくという戦略も少なくない企業が取り入れているのではないだろうか。