2017.04.11 火曜日

豊橋発:利益の「穴場」を見つけ出せ!

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 マイケル・ポーター著「競争の戦略」では新規に市場に参入する戦略に触れられている。この章の最も重要な言葉は「市場要因(market forces)」の「不均衡(disequiliblrium)」だ。

 これだけでは何のことか分からないが,要するに「もっと簡単にやれば儲かるだろうにやっていない。」とか,「ここに目をつければ儲かるだろうにやっていない」とか,「こんなすごいことをここだけでやっているのはもったいない」とかこういう視点で市場の穴場を探し出せと言っているのだ。

 つまり,マイケル・ポーターは市場分析で5つの競争要因(five forces)を掲げる。それは売り手,買い手,新規参入者,代替品,同業競争者の5つだ。この5要素の競争が完全に機能すれば新規参入は絶対利益を上げない。十分で完全な競争があれば市場参加者は平均的な利益をあげる。新規参入者は新規参入のコストの分だけ損をし,不利な立場に陥ることになる。

 たとえば,業界の因習的な観念が強すぎる業界があった場合どうだろうか。農産物は農協,青果市場を通すものという業界の因習的な観念があったとする。しかし,産直を実施することで流通コストが節約され,小売店や農家はさらに利益を上げることができる。

 これを農家の立場から見ると,買い手との競争が因習化しており,農協が当たり前になっていた。しかし,この買い手との関係で実は市場は十分機能していなかったということになる。農家にとって「買い手」は農協以外にも存在していたにもかかわらず,それを知らなかった,「買い手」との競争では市場はうまく機能していなかったということになる。

 このように,市場には競争要因には必ず不完全さがある。世の中にパーフェクトな経済が存在しないのと同じだ(もっとも,ポーターは「必ずしも全ての業界が均衡状態にあるとは限らない。」とは言っている)。この「不均衡を最初に見つけ,初期のうちに予測に着手するという有利立場」に経つことで「不均衡の利点を享受」でき,他社にない利益を上げることができる。

 イノベーションはこうした「不均衡」,市場における穴場の発見と利用にある。
 で,重要なのはこうしたイノベーションは偶然起こるものでもないとポーターは言っているのだと思う。市場の競争を決める要因を吟味することがイノベーションの発生につながるのだと考えていると思う。アイディアはたくさんの分析を背景に,天才的なひらめきによって生じる。その分析の手法を「競争の戦略」は提示している。