2017.05.10 水曜日

豊橋発:中国企業の人員削減

法律相談はE&J豊橋法律事務所の弁護士が対応いたします。

 中国の人件費の上昇が叫ばれて久しい。中国企業は急速に生産の合理化が進んでいるように見える。中国進出の日系企業も高まる人件費に合理化は不可欠の課題だ。合理化に伴う人員削減にはどのような課題があるだろう。
 
 中国でダウンサイズを行う場合,事前に社員に漏れるといくつかのトラブルが発生する可能性がある。たとえば,工場の撤退を決めたことで社員が仕事をしなくなるということがある。補償金を求めてストライキやボイコットがあるかもしれない。
 
 人員削減に抗議して機械を破壊する可能性がある。撤退に必要な賃貸借契約書が盗まれてしまうこともあるそうだ。在庫を持ち出したり,データを持ち去ったり破壊したりするかもしれない。経理を中国人が担当している場合に銀行印を濫用して不正に預金を引き出すかも知れない。
 
 ダウンサイズを行う場合,事前に中国人弁護士と協議しておくことはかなり重要なことだ。この場合,削減へのプロセスを明確にして情報が漏れないように細心の注意について指示を受ける。情報開示は役員にとどめるのか,連絡方法には通常メールを利用するのか,打ち合わせの場所はといった基本的なことがある。データのバックアップ,盗難など防止するための監視カメラの設置も検討事項になる。
 
 また,労働局についての対応を不可欠となる。
 ストライキなどの紛争が生じた場合,労働者側が労働局に救済を求めることもある。企業としては事前に労働局との協議も必要な場合もあるだろう。その内容,タイミングは弁護士で無いと分からない。
 
 多くの人員を削減する場合は労働局の承認が必要な場合がある。労働契約法は一定量の削減をする場合には工会(労働組合のようなもの)や社員総会から意見を聞いた上で削減計画の報告を義務づけている。こうした場合,中国人弁護士と協議して労働局との間で事前協議をしておく必要がある。
 
 いずれにしろ,最後には解雇できる法的権利があることが全体の計画を有利にすることは間違いない。そのためにも弁護士との協議は必要不可欠となるだろう。