2017.05.10 水曜日

豊橋発:競争優位をいかに保持するか

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 企業の競争力は製品の品質,デザイン,企画力など多くの要素からなりたっている。マイケル・ポーターは競争要因について「5つの力」を示していることは有名だ。
 
 そのなかで,「グローバル・ニッチトップ企業論」(白桃書房)は中小企業の「高技術」に着目して分析を進めている。厳しい競争環境下にある中小企業が「高技術」を武器にいかに競争優位を保持しているかというのが本書のテーマだ。
 
 第2章は模倣防止がテーマとなっている。同一商品,あるいは代替商品が市場に参入することで競争が激化していく。中小企業の場合,資源に限界があるためどうしても模倣を防いで,他社の参入を防ぐためにはどうしても「選択」と「集中」といった戦略をとらざる得ない。
 
 かぎられた「市場」の中でどのようなポジショニングをとっていくか,選択されたニッチに対してどれほどの資源を集中するかということになる。
 
 この選択と集中しつつ,競合他社に対して競争上の優位を保つには商品の差別化と模倣の防止が行われているというのが本書の内容となっている。
 
 日本分析工業株式会社は加熱分析によって分子量の大きいプラスチック分析を可能にするガスクロマトグラフィーを販売している。よくわからないがこの分野は市場が小さくて分析が難しいことから大企業が参入しにくい分野なのだそうだ。
 
 コアとなる技術については徹底的に外部に漏らさないことによって技術を護ることも選択されている。
 水族館用アクリルパネルを作っている日プラは大きな水圧に耐えられるようにするため,アクリルパネルを16枚積み重ねるにもも関わらず高い透明度を確保する技術を磨き上げているという。そのノウハウを維持するため生産に必要な機械を自社開発によっているという。
 
 ノウハウや技術の防衛は特許などもあるが,中小企業の製品の場合は常に特許があるとは限らない。むしろ,材料の選択や生産工程の一つ一つの機械,ノウハウを全体としてまねできない形で積み上げていくという手法が試みられている。マネジメント全体に模倣の防止という強い意識が働いていなければならないことになる。