2017.05.11 木曜日

豊橋発:大企業は中小企業よりも収益率は高い?

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 大企業の収益率は中小企業の収益率よりも高い,というのは誤りだ。


 大企業が力を発揮するのは規模の経済が発揮する場面であって,それがない業界や市場ではむしろ中小企業のほうが収益率は高い。どのような場合に中小企業の方が収益率が高いかは市場や業界の特性によって決められていく。

 この業界の特性の分析なくして一般的に企業戦略が説明されても説得力を欠くと思う。
 たとえば,「高い技術で競争優位を獲得する」,「きめこまかなサービスで顧客の信頼を勝ち取る」といったところで,あたりまえの事を言っているにすぎない。

 「グローバルニッチトップ企業論」(白桃書房)は豊富なインタビュー事例を紹介している。その一つに,日本分析工業株式会社は加熱分析によって分子量の大きいプラスチック分析を可能にするガスクロマトグラフィーを販売している。よくわからないが,分子量の大きいプラスチック分析は大企業では市場も小さく進出しにくい分野なのだそうだ。

 この場合,ガスクロマトグラフィーという業界,市場における特性があって,その中で「分子量の大きいプラスチック分析」という分野が大企業というライバルが参入しにくい,他の競争者との関係で自社の資源が優位に立てるなどの分析が必要になってくる。

 この場合,業界分析の手法が存在する。ガスクロマトグラフィーの対象となる物質と企業規模との相関関係があれば,対象となる物質を縦軸に,企業規模を横軸にして企業の立ち位置を決めていく。あるいは別の座標軸があるかもしれない。

 さらに,同じ立ち位置の企業グループの中で,自社の資源(広告宣伝,技術,人材,企業規模,協力企業のレベル,ノウハウなど)がどこで優位に立つかを考えることになる。
 
 中小企業の場合,大規模なマーケッティング調査などできないので,こうした業界分析にかかわる情報はたくさん人と接する中で徐々に蓄積していくことになるのだろう。

 ともかく,集中と選択の戦略が効率よく行われれば,大企業の利益率より中小企業の利益率は大きいかもしれない。大企業の社員の平均的な収入よりも中小企業の平均的な収入の方が高額になるかもしれない。