2017.05.15 月曜日

豊橋発:継続的取引契約とその解消

法律相談はE&J豊橋法律事務所の弁護士が対応いたします。

取引関係を持続することを目的とした契約を継続的取引契約と呼んでいる。一口に継続的取引契約と言っても,製造販売,フランチャイズ,代理店,派遣労働契約など様々で有り単純ではない。

 ところで,継続的契約を解消する場合,期限が来たという理由で解消できるだろうか。

「本契約の有効期間は、契約締結の日から1年間とする。但し、期間満了の3ヶ月前までにいずれかから書面による契約の内容変更もしくは解約の申出が無い場合、本契約は同一条件でさらに1年間継続するものとし、以降もこの例によるものとする。」

 という条文が契約書にあった場合に1年継続したら解約できるのだろうか。
 継続的取引契約では一般的には「契約を継続し難いやめを得ない事情」が必要であるされている。これは,取引を継続する場合,双方に継続を前提とした経済関係が成り立っており,突然の終了は他方に想定外の打撃を与えることになるからである。

 しかし,一方で取引自由の原則からすれば,事業戦略上別の事業者と契約に依頼することも当然許されることになる。割に合わない契約にいつまでも拘束されることはない。

 このやむ得ない事情について,判例タイムズ1406号に分析論文が掲載されている。
 考慮要素を次のように分析している。
① 契約文言とその成立の経緯
  契約文言はかなり重要だ。たとえば,契約期間中であっても,当事者の一方から解約できる旨の条項がある場合には法的に拘束力を有するとされている(最判H10.12.18判タ992号98頁,花王事件)。
② 契約解消に伴う不利益の度合い。
  継続契約を前提として設備を整えていたり,事業活動の体制が整備されているような場合,一定制限される方向に作用する。
③ 解消の必要性
  解約する側に解約の必要がどれほどあったか。相手方の背信行為や信用状況の悪化なども考慮の要素となる。
④ 解約告知期間
  一定の期間を設けて解消する場合も解消を正当化させる。
⑤ 論文ではこの外にも解消される側の事業が相当程度大きくなっていることも解消制約に働くのでは無いかとしている。また,一方の当事者が小企業であるような場合にも制約の方向に働くとしている。