2013.09.17 火曜日

豊橋発:自賠責と労災

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 後遺障害の認定に当たっては、自賠責の認定より、労災の認定の方が被害の実態を適切に反映していると思います。
 
 交通事故の後遺障害は損害保険料率算出機構によって等級認定されます。これは自賠責保険(強制保険)が支払い額を決めるための制度です。交通事故では通常は任意保険の担当者が被害者との交渉を担当します。その場合でも後遺障害の等級認定が必要になるのですが、この認定は任意保険の認定ではなく、あくまで自賠責保険のための認定です。
 
 ところで、交通事故の後遺障害の等級は労働災害保険の等級に準じて認定されます。例えば、頭痛や耳鳴りなど神経障害がある場合には14級と認定されることがありますが、この14級というのは労働災害に認定基準をもとに決められています。
 
 そこで、交通事故が同時に労災であるような場合には自賠責の認定と、労災認定が重なることがあります。例えば、通勤災害のような場合には重なりますし、自動車で営業中に事故にあった場合には重なることになります。
 
 この場合、労災側は交通事故の認定を先にするよう促すことが多いと言っていいでしょう。交通事故のような加害者がいるような場合には、まず加害者が賠償額を支払うべきだという考え方があります。ですから、労災側はまず交通事故の認定を先にするよう指導するのです。
 
 しかし、労災と自賠責とでは認定のやり方が異なります。自賠責の場合、書類でしか審査しません。調査方法も主治医に対する簡単な問い合わせをたよりに判断しており、精密なものではありません。それに引き替え、労災は被害者を直接検査したり、聞き取りをしたりします。
 
 そのため、本当に被害がひどい場合には労災保険の方が正確に判断されることが多いようです。私の場合はこういう理由で、原則として労災認定をまずもらうように、裁判するなら自賠責の認定は必ずしも貰う必要は無いと言っています。