2013.10.03 木曜日

豊橋発:事業者の逸失利益

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1 自営業者が交通事故で後遺障害を負った際の逸失利益の基礎収入は、どのように考えられるでしょうか。 (1)基本は、税務申告所得です。 (2)申告額と実収入が異なる場合(節税等のため、過少申告していた場合等)    立証があれば実収入が基礎とされます。 (3)所得が家族の労働によってもたらされている場合には、本人の寄与度を考慮して割合的に算出されます。 (4)現実収入が平均賃金を下回る場合で、平均賃金を得られる蓋然性があれば男女別の賃金センサスが用いられることもあります。
  例えば、資格で開業した直後の交通事故で後遺障害を負った場合等には、前年度の確定申告や源泉徴収票では、将来得べかりし所得の証明にはなりませんので、賃金センサスが用いられるでしょう。 (5)現実収入の立証が困難な場合には、業種別の平均収入などの各種統計資料や賃金センサスを用いられることもあります。      

 以前に当事務所で担当した事案でも、確定申告書では事業所得218万円であった事故当時38歳の男性について、家計簿等の支出総額全額を事業所得で賄っていたと認めることは出来ないし、事業経費が控除されるべきであるから銀行口座への入金額の全部を事業収入と認めることは出来ないが、少なくとも賃金センサス相当額程度の収入はあったとして、488万1100円の基礎収入を認められたことがありました。                                                                                                                                 
2 社長の事故による会社の損失
 社員等の事故による会社の営業損失については、社会通念上、事故と損害との因果関係が認められないとされています。  しかし、「甲が交通事故により乙会社の代表者丙を負傷させた場合において、乙会社がいわゆる個人会社で、丙に乙会社の機関としての代替性がなく、丙と乙会社とが経済的に一体をなす等判示の事実関係があるときは、乙会社は、丙の負傷のため利益を逸失したことによる損害の賠償を甲に請求することができる。(最高裁判所第2小法廷判決/昭和40年(オ)第679号 【判決日付】 昭和43年11月15日)とされています。