2013.10.21 月曜日

豊橋発:過失が10対0と判断されやすい事故① 歩行者の場合

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交通事故の場合,事故が起きた状況によって,過失相殺(http://nagoya-jiko.net/symptom/calculation.html#s03)の割合が色々と変わってきます。

 
過失相殺の基本的な割合は,どういうケースの事故かによって,ある程度定型的に決まっています。
その中で,過失の割合が10対0で,被害者側に全く落ち度がないのが基本とされるケースは,案外限られます。
 
そこで,どういう場合が10対0になりやすいか,事故のケースごとに解説します。
第1回は,歩行者対車の事故のケースです。
 
 
歩行者が青信号で横断歩道を渡っている途中に,車が赤信号で横断歩道に入ってきた場合
  この場合,信号の色から,自動車が全面的に悪く過失10割となるのは当然といえるでしょう。
 
 
歩行者が青信号で横断歩道を渡り始めて,途中で赤になった場合に,自動車が赤信号で横断歩道に入ってきたとき
  この場合も,やはり赤信号で車が入ってきているので,車が全面的に悪いのは当然でしょう。ちなみに,横断歩道の途中に安全地帯がある場合でも,同じように車が全面的に悪いと考えられているようです。 
 
 
歩行者が青信号で横断歩道を渡っている途中で,車が青信号で右左折して横断歩道に入ってきたとき
  この場合,車側が青信号なので,10対0の判断は少し意外かもしれませんが,歩行者側が青信号であることや,道路交通法38条で横断歩道では車は歩行者を優先するように定められていることを重視して,10対0が基本と判断されています。
 
 
歩行者が青信号で横断歩道を渡り始めて途中で赤に変わった場合で,車が赤信号で右左折して横断歩道に入ってきたとき
  この場合,歩行者側も赤に変わってしまっているので落ち度はありますが,車側が赤信号であることをより重視して,基本が10対0とされているようです。
 
 
信号のない横断歩道で歩行者が横断中,車が横断歩道に入ってきたとき
  ㋒で述べた道路交通法38条1項で,車が横断歩道を走行するときは横断歩道直前で停止できる速度で走ることが求められていることや,特に横断中の歩行者や横断しようとしている歩行者がいる場合は車は一時停止をすることが求められていることなどから,車が全面的責任を負うことが基本になっています。
右左折車が横断歩道に入る場合でも,車が全面的責任を負います。
 
 
歩行者用道路に車が入っていたとき
  「歩行者用」の道路に車があえて入ってきて事故が起こる場合ですので,車の全面的責任は当然といえるでしょう。
 
 
歩道上に車が入ってきたとき
  車が車道から歩道を通って駐車場などの道路の外へ出ようとする場合,車は一時停止を歩行者の通行を妨げないようにすることが要求されているので(道路交通法17条1項),車が全面的な責任を負うことになっています。歩道は人が通る場所ですので,これも車の過失10割がやはり当然といえるでしょう。
 
 
歩道や1m以上の路側帯のない道路で,歩行者が道路の右側端を歩いていた場合
  歩道や1m以上の路側帯のない道路では,歩行者は道路の右側端を通ることが道路交通法10条1項で求められていることが根拠になっています。なお,道路の左側端を歩行者が通っていた場合でも,歩行者の基本的な過失割合は5%だけにとどまっています。
 
 
 
以上が,歩行者の場合の10対0の例です。車側の信号の色が赤である場合や,歩行者しか通れない場所での事故の場合が多いです。
なお,夜間の場合や,車の直前直後で歩行者が横断歩道を横断したような場合には,歩行者側の過失ありとされる場合もあります。ただその場合でも,歩行者の保護を重視して,歩行者側の過失割合は低くとどまる傾向があります。