2014.02.21 金曜日

豊橋発:フランチャイジーの義務

私の知り合いの企業家は居酒屋を経営しているのであるが、フランチャイズで全国に展開してたいへんな利益をあげている。

 
 あるいは、最近相談にのったある衣料品の製造メーカーだがまだまだ小さいが、創業100年の伝統を生かしてブランド品を売ろうとしている。そこでもフランチャイズのような制度を利用して事業展開できないかと考えている。
 
 成功例を定式化することによってフランチャイズによって利益を一気に拡大することができる場合がある。私のところにもそれに関連した相談がある。
 
 フランチャイズとはフランチャイザーが他の事業者であるフランチャイジーとの間で自己の商標、サービスマーク、トレードネームその他の標識、ノウハウを用いて、商品の販売などの事業を行う権利を与え、フランチャイジーは一定の対価(ロイヤリティ)を支払って、継続的に事業を行う取引関係であるとされている。
 
 フランチャイズにとってブランドイメージは非常に重要であるためその維持に関する義務は厳しいのは止む得ないと思われる。ローソンなどのコンビニはフランチャイズの典型であるが、24時間営業という小売形態はブランドイメージにとって重要であるためそれを維持する義務は厳しい。
 
 洋菓子など食料品を販売する場合については食料品の品質管理について強い義務が課せられるのも止む得ないと思う。例えば、洋菓子店のフランチャイジーが消費期限を過ぎた食材を利用して商品を作っていたなどして社会問題になれば、フランチャイズのブランドイメージは深く傷つくことになる。
 
 それに関連してはこういう判例がある(東京地裁H22.7.14、判時2095、59頁)。  これは不二家のフランチャイジーが消費期限切れの原料を使用して問題が引き起こされた事例だが、フランチャイジーの義務について次のように述べている。
「被告は、原告に対し、その使用を許諾した商標、サービス・マーク等のブランド価値を自ら損なうことがないようにすべき信義則上の義務を負うものというべきである。」
 
 この裁判はブランドイメージの維持を「信義則上の義務」とし、付随義務の一つとしたと思われる。フランチャイズ契約の内容そのものではないという考えだ。この点、フランチャイザーにとっては契約内容に信用維持義務に関する条項を入れ込むことも検討することになるだろう。
 
 この裁判では消費期限切れの原料を利用したことは違法行為だが、それによる損害が立証されていないとして請求は棄却されている。これはフランチャイズ契約の内容中、信用毀損に関する条項が不備であったということを意味する。