2014.03.28 金曜日

豊橋発:評価損(欠落損)

 
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【評価損とは】
 交通事故で損害車両について十分な修理がなされた場合でも、修理後の車両価格が下落することがあります。
これを、評価損(欠落損)と言います。
 原因としては、①修理技術上の問題から、性能・外観等が事故前と比べて低下する場合の他にも、②修理後も隠れた損傷があるかもしれないという懸念が残ることや、③事故にあったこと自体で購入を敬遠されるといった理由から中古車市場の価格が下がること、が挙げられます。
 
【評価損の算定方法】
 評価損の算定方法は、裁判例上、修理額を基準にしてその何%(1030%程度が多い)かを認める場合の他、時価を基準にする場合、財団法人自動車査定協会等の査定を考慮して査定する場合などがあります。
いずれの場合でも、初年度登録からの期間、走行距離、修理の程度、車種等が重要な考慮要素となります。
 
【裁判例の傾向】
 評価損に関する裁判例は星の数ほどありますが、おおまかにまとめれば以下のようになります。
 ・初年度登録からの期間。
   … 評価損が肯定される場合、初年度登録から一年以内が多いです。特に修理費の35%近くを認めている裁判例はほとんど初年度登録から一年以内です。
ただ、初年度登録から数年を経過しても評価損を認めているものもあります。
初年度登録から約10年が経過した場合に、走行距離が6万程度であったこと、車種がポルシェであり、趣味嗜好の満足のための車両として人気であったこと等から、修理代金約46万に対し、13万円の評価損を認めた裁判例(名古屋地裁平成19711日判決)もあります。
 
 ・走行距離 
   … 裁判例の多くは走行距離を指摘して判断していますが、基本的には走行距離は初年度登録からの期間に連動するため、走行距離は「初年度登録から●●年が経過しているが、△△キロしか走っていない」というように、補充的に考慮されているようです。
 
 ・修理の程度 
  … 多くの裁判例は、修理費用を基準に評価損を認定しています。
裁判例上は、修理費用が相当高額(500万円以上)でも3割程度の評価損を認めているものが多く、修理費用が高額であることでその割合が下がるということはあまりないようです(大阪地裁平成191220日判決は、150台限定のランボルギーニについて修理費約700万円の30%を認めました)。
 
 ・車種 
   … 評価損が認められた裁判例上の車種は、フォードやベンツ、ジャガー、BMW、ランボルギーニといった外国車、また、セルシオなどの国内高級車の場合が圧倒的に多くなっています。
    ただ、国産車でも評価損を認めている例はあります。初年度登録から210ヶ月・走行距離約4万キロのホンダ・ステップワゴンについて修理費の2割・165万円を認めた裁判例(岡山地裁判平成18119日判決)や、初年度登録から111ヶ月後・走行距離約1万キロのトヨタ・エスティマについて、修理費の2割・25万円を認めた裁判例(神戸地裁平成22511日判決)などがあります。