2014.04.08 火曜日

豊橋発:分譲地管理契約

「法律相談はE&J豊橋法律事務所の弁護士が対応いたします。」

 

 別荘管理契約(不動産管理契約)では解除に関する条項をきちんとしておかないと思わぬ問題が生じる。

 
 別荘地開発では開発分譲だけではなく、分譲後の管理についても利益を得る。別荘購入者のために分譲地を管理する行為は準委任契約と呼ばれている。委任契約は通常法律行為を委託する。「準」がつくのは家の修繕とかパトロールとか事実行為が含まれているからだ。
 
 委任契約は委託者、受託者の死亡によって終了するのが原則である(民法653条1号)。委任契約というのは当事者間の信頼関係を基礎とするので、一方が死亡した場合には信頼関係が失われると考えるのである。
 
 別荘地管理の場合、管理業者は管理業務でも利益を得ている。こういう場合は一方の死亡によって管理契約は終了するだろうか。
 
 静岡地裁沼津支部では解除されないとした。つまり、管理業務は土地購入に付随した契約であるから、別荘地を持っている限りついてまわる契約だとしたのだ。確かに、別荘地はその土地だけで存在するのではない。地域全体が別荘地としての良好な環境があって価値が保たれる。統一的でかつ、恒常的な管理は必要かも知れない。
 
 これに対して、上記判決の控訴審である東京高裁は死亡によって終了するとした。別荘管理はあくまで所有者の利益のために締結された契約だから解除できるとしたのである(東京高裁H22.2.16、判タ169頁)。
 
 委任契約はいつでも解除できるし、一方の死亡によって終了する。しかし、受任者の利益のために委任契約を締結した場合には単純に解除できないし、死亡によって終了しない場合がある。
 
 例えば、特定の債権を担保に入れて、取り立てを委任することがある。つまり、債権回収権限を取得することで確実に返済金を受け取ることができる。こうした取立て事務の委任契約では、委任を受けた側の利益のために委任が行われる。こうした場合には一方的に解除できない。
 
 相互依存関係がある場合には解除できない。委任者の利益のためのものであれば解除できると考えることになる。