2014.04.08 火曜日
豊橋発:市場の失敗
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名城大学渡辺俊三先生のお話をうかがった。イギリスと日本の中小企業政策を比較するもので、それなりに興味深かった。
講演後、参加者の間で「市場の失敗」という言葉が話題になった。
市場が健全に機能すれば、適正な価格に落ち着いていく。質の高い物が作られれば相応に価格は高く評価され、質が悪ければ相応に価格は低く評価される。市場は合理的に動くという神話が経済学にはある。
「市場の失敗」というのは、自由な競争の阻害要因があって、そのために適正な価格が失われている状態を言うらしい。中小企業の場合、資本力の弱さや、資源の乏しさから適正価格とならなくなることがある。それは市場が失敗している状態ということになる。
こうしたことは大昔からあるように思う。市場が「正常」であるという状態は仮定された話でしかない。私の感覚からすると、市場は合理的に動こうとしている感じだ。阻害要因と社会が認識した要因を除外した結果が「正常」ということになろうか。
いずれにしろ、中小企業は劣位におかれて正常な市場価格を形成できないということは疑いない。問題は現在の情勢下で、不正常な状態はどのように記述されるかということだろう。高度経済成長期には高度経済成長期の阻害要因が、バブル期はバブル期の阻害要因が、現在は現在の阻害要因がある。それが説明されなければならない。一般論では企業家は納得しない。
私はやはりグローバリゼーションだと思う。アジア市場は急速に融合化しているが、中小企業は追いついていない。そのために、自分の商品の価値が本来の価値を発揮し得ないでいる。
中小企業がアジアに資本進出する、アジア各国の流通を利用する、アジアの労働力を利用する、アジアに進出した大企業のルートを利用する、「市場の失敗」はこうしたグローバリゼーションとの関係で認められる中小企業にとっての阻害要因をクリアーに分析してこそ意味があるように思う。
ついでながら、私が最も興味があるのは「オープンイノベーション」だ。中国は他国の技術を利用して高度経済成長を実現している。他国も自社の技術を保全しながら中国とつきあっている。イノベーションが流通し、イノベーションがぶつかり融合する、イノベーションが切り離されて独立して発展する、テクノロジーやイノベーションのオープンな市場のあり方を知りたいと思う。
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