2014.05.26 月曜日

豊橋発:一国の経常収支

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「グローバル化経済の転換点」(中井浩之著、中公新書)の勉強が続いている。
 
 貿易収支は一国の経常収支でもある。
 
 アメリカなどは消費国としてむやみに輸入して代金を支払っている。それだけでなく、どん欲なマネーが世界のあらゆる市場に投資を続けている。そのため、経常収支は大きな赤字を抱えていて、アメリカの財政はとんでもない赤字を抱えている。最近でもこの赤字問題に対応するために、オバマ政権はだいぶ苦しめられているようだ。
 
 一方、中国ではご存じの通り、輸出絶好調で、貿易収支の黒字は上昇の一途だ。中国は米国債もだいぶ買い込んでいる。
 
 シロウトの素朴な発想として、債権者の中国、債務者の米国、普通は債権者が強い。黒字の中国、赤字の米国、これもなんとなく中国が強そうだ。ところが、国際社会ではそうでもないのだ。
 
 国際経済の大きな流れをきわめて単純化すれば、中国は物を作って国際市場、特に米国にそれを販売して利益を得ている。米国経済が悪化して支払い滞れば、中国は物を売ってもお金が取れない。債権があっても回収できない。つまり、一国の国際収支の黒字と赤字は表裏の関係にあって、どこかでバランスが取れていない両方とも困ってしまうということになる。
 
 これは私の理解のために単純化した議論だが、同じ、一国の赤字、黒字と言っても事情は単純ではない。米国の赤字は大量の消費や圧倒的な海外投資が原因している。儲かっていて、それを海外に使っているから赤字だということだろう。しかし、ロシアはまた違う。メキシコや東南アジアも事情が違うだろう。中国、ブラジル、インドの黒字は似ているかも知れない。
 
 昨今の金融不況を見ると、こうした国際的な貿易収支に対して何らかの秩序が必要であることは間違いない。しかし、その秩序の作り方がまた難しいようだ。