2014.08.05 火曜日

豊橋発:M&Aのリーガルチェック

 
 
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 M&Aが行われるような場合は、双方、それなりの規模がある。つまり、社長が交代したとたんに企業価値を失うような個人的色彩の強い会社はM&Aには向かない。そういう会社は、所有と経営がそこそこ分離している必要があるため、そこそこの企業規模であることが多い。
 
 M&Aについては、おそらく株式の譲渡という形式が多いように思われる。その場合は会社の持っている価値全部をそのまま移転するので、権利移転に伴う問題点はほとんどない。むしろ、クロージング時の資産価値が正確にあったかどうかが問題になるだろう。
 
 こうした場合の売主の立場に立つ弁護士の役割は多岐にわたる。
 ① 組織内部の手続きが会社法などに則って処理されているか。
 ② 真実であると表明された項目について、クロージング時までに法的に問題なく維持されるか。
 ③ 表明保証責任など、買主に対する責任をいかに限定するか。
 ④ 社長個人の利益の問題として税務問題も存在する。
 
 判例を調べてみると、クロージング時の資産価値が減少した、無かった、だまされたというようなトラブルが多いようだ。
 
 ① 東京地裁H20.12.17、判タ1307号、26頁
   これは株式会社アプラスの売却をめぐって、価格調整条項の適応が争われた事例だ。株式評価の基準日とクロージング時のずれを調整するもので、判決は新生銀行に対して47億8400万円の支払を命じた。
 ② 大阪地裁H20.7.11、判時2017号、154頁
   これは、DXアンテナ株式を20億円で売却した事件で、実際には資産の評価に50億円にも上る問題があったことや、60億円以上の特別損失が判明したという事件である。判決は買主が自ら調査してリスクを引き受けるべきだったとして、買主からの請求を棄却した。