2014.12.16 火曜日

豊橋発:事業の危機、顧問弁護士の必要性

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 会社が倒産の危機に陥り、それでも建て直しがきかないために、ついに従業員給料の遅配や欠配が生じてしまった。最近このような相談を受けた。
 
 この企業の場合、年商が何億もあったが、リーマンショック後の不景気によって売り上げがどんどん減少していった。会社からは人がどんどん去っていき、組織が崩壊していった。最後には若い社長と、数人の従業員だけが残り、残った従業員にも給料が払えないという事態に陥った。親族からもお金を借りた。社長は消費者金融からも借りている。家計にもほとんどお金を入れていない。もちろん税金は貯まっている。
 
 このような会社は誰がみても持続性を失い、とっとと倒産してしまえばよいという会社だ。しかし、それでも社長はけっして諦めていない。絶対に破産したくないということが多い。それは破産して何もかも失うことの恐怖だったり、破産者としてプライドを失うことがいやだったり、恩義ある人たちに対する義理立てであったりする。顧客があるのでまだいけるという、超楽観的な希望も支えになっている。
 
 不思議に思うかも知れないが、このような会社であっても生き残りのチャンスはある。こうした会社のほとんどは会計がでたらめで、税理士にも問題がある例が多い。まずは会計を正確にして、簡単でもよいから正確な資金繰表を作ってキャッシュフローを正確に把握することから始める。借金を払わなければ事業を継続できるかどうか、利益を生み出しているかどうか検討し、その上で支払の順序を決めていく。
 
 支払は、自分の生活、従業員の給料、仕入れ関係、税金・社会保険料、銀行、親戚などからの恩借といったところか。こうした耐えに耐えるためにプランを作り、一方で経営の根本改善を行って利益を生み出す仕組みを作っていくことになる。
 
 この会社の場合、親戚からの借入を全て借金の返済に当ててしまった誤りがある。利益を生み出さない構造のもとで借金返済をしたところで、意味はない。せっかくの資金をどぶに捨てるようなものだ。その資金は事業継続、起死回生の方策のために利用されなければならない。
 
 本当は、この事例の場合、急激な落ち込みがあり、資金ショートするかもしれないと考えたときにできるだけ早く弁護士などに相談しなければならなかった。こうした場面では組織が崩壊し始め、会計もぐちゃぐちゃになってしまう。この時点で、明確な経営戦略を立てなければならない。過去の事業、あるいは事業スタイルとの決別を勇気もって行い、それにそって組織を立て直す必要がある。加えて、会計も正確にして現状把握を正確にする必要がある。できたら、優秀な会計士を採用して会計自体も戦略的に作りあげていくことが必要だ。
 
 中小企業の場合、顧問弁護士の役割を軽視している。すぐれた弁護士、会計士の存在は企業の危機にとって起死回生の戦略を練る上で必要不可欠な存在になることがある。