2015.02.28 土曜日

豊橋発:中国、解雇は簡単かな?

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 法律家向け雑誌「ビジネス法務」10月号は「失敗しないアジア」という特集になっている。今やアジアブームが進行し、中国、ベトナム、タイ、インドネシアへの中小企業、それも製造業の進出意欲はめざましいものがある。
 
 どうも、みんな浮き足立ってしまってこれはいけないななどと考えてしまう。
 
 今回の特集では海外進出で起こりやすい問題点がいくつか整理されて記事になっている。中国では解雇、賄賂、通関トラブルなど我々もよく聞く問題が掲載されている。中国は社会主義国、労働者の国なので労働法制も完備している。しかし、どうも契約絶対の傾向は日本より強そうで、総じて、契約書や就業規則等で明示しているとそれに従って解雇されてしまうようだ。
 
 中国で労働契約を解除する場合、労働法または労働契約法に定めに従わなければならない。会社は法定解除事由に沿った証拠を用意しておく必要がある。前記ビジネス法務の記事では、試用期間中の解除(解雇)、試用期間後の解除、無断欠勤を理由とした解除について次のように紹介されている。
 
■ 試用期間中の解除
 労働契約法19条では試用期間を認めている。しかし、同法39条1項1号では「雇用条件に合致しないこと」が必要となっている。解雇に当たってはこの条件を明確にする必要がある。
 1) 雇用条件の明示
  ① 契約締結時に書面で行う。雇用条件を労働契約書の付属文書とする。
  ② 雇用条件を具体的に記載する。営業であれば月間営業成績の最低ノルマ金額を記載する。
  ③ 雇用条件の証拠を集めておく。成績が悪かったことについて自署の確認書をとっておく。
  ④ 試用期間内に解除権を行使する。
 
■ 試用期間後の解除
  一般には解雇は難しくなるらしい。「実務上、従業員との間で合意により労働契約を解除(労働契約法36条)かするか、または1回目の労働契約の期限が到来するのを待って期間満了により労働契約を終了(同法44条1号)させるのが一般的である。」期間満了の場合は、法定の経済補償金を支払う必要があるが、それで済む(法46条、47条)。
 
  解雇は極力避け、若干+αして自主的に解除するのがよい。この場合、多額に払い過ぎると会社内部で混乱を引き起こすため注意が必要だ。
 
■ 無断欠勤を理由にした解除
  この場合は、動労契約法39条2号の「著しく会社の規則制度にはする場合」を理由に解除する。
  ① まず、就業規則にどの程度の無断欠勤が「著しく」に該当するか就業規則に明示する必要がある。「最低でも5日以上の連続無断欠勤が必要だとされている。」
  ② 就業規則には「著しく」の場合には労働契約を解除できる旨の定めが必要である。
  ③ 就業規則が社員に公示、告知されていることが必要である。
  ④ 無断欠勤の事実について証拠を確保しておく。
        EX. タイムカードを整備して、就業規則でタイムカードの打刻を義務づける。
    EX. 無断欠勤について工会(労働組合)の主席から署名入りの確認書をとっておく。