2015.04.22 水曜日

豊橋発:競業避止義務

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 民間企業の従業員が、退職後に同業他社に就職したり、自ら同種の事業を営むことを禁止する義務を競業避止義務という。
 
 社員が在職中に培ってきた人間関係は会社にとっては貴重な財産だ。退職後、顧客を奪って新事業を始めたとき、社長としてはドロボウ猫がと叫びたくなるだろう。退職の時に会社の秘密情報を持ち出して新事業を始めたり、ライバル会社に就職して利用されたのでは非常に困る。会社の情報は大切な財産だから、これを持ち出すことはまさしくドロボウだ。
 
 しかし、誰でも営業活動、職業選択の自由はある。自由競争の社会ではライバルの登場は当然の前提にしている。従って、退職後はたとえ同業を起業しようと、ライバル会社に入ろうと自由だ。たとえ、あなたの会社でノウハウをつちかったしても、それは個人のノウハウになったとも言えるから、会社の情報を持っていったということにもならない。
 
 したがって、社員に対して退職後の職員に競業避止義務を課するには特別な事情が必要となる。
 その事情とは競業避止義務を労働契約の一つにすることだ。IT関係の事業では昨今は社員の守秘義務、競業避止義務を誓約させることは当たり前になっている。たとえば、このような規定だ。
 
「貴社を退職後3年間は、自己名義、他人名義を問わず、また直接、間接を問わず、貴社の書面による承諾がなければ、貴社と競合関係に立つ事業・業務に関与しないこと」
 
 もっとも、このような規定が常に有効かと言えばそうでもない。裁判例は地域の限定や、競業避止義務の対象となる事業を限定している。また、職員の退職後の行動、たとえば企業秘密を悪用しているかどうか、残った従業員を引き抜こうとしているかどうかなどによっても認める場合と認めない場合がある。